大変遅くなったが、去る4月19~26日に俳優Tの主演舞台があったことを報告する。
某後輩のブログ更新を見て、やらねばと思い立った次第だ。
T演じる21歳の男の子が映画俳優を志して大阪から上京し、既に上京していた友人が紹介してくれた下宿に住むことになる…というのがあらすじだ。
詳しいシーンごとの感想はインスタグラムに書いてしまったので、若干内容が被るが、ここでは大まかなことだけ書いておこうと思う。
舞台の情報が解禁されたとき
卒展1日目、金曜日の夜だった。卒展といえば全くみんな非協力的で大変に心が荒んでいたのだが、私はTを応援する人間として気高く生きることを信条にしているから何とか耐え抜いていた。その時に主演だ。
本当に嬉しかった。オリジナルプレイだし、主演だし、応援していてよかったと心から思った。
それから約2か月、Tの主演があるんだという1点で生き抜いてきた。
公演期間
行ったことのある会場だったが、記憶通り本当に小さい会場だった。
定員174だったか176だったか、とにかく中高のお御堂よりも小さい。すなわち、世間的には多くないはずの中高の1学年が入りきらないほど小さいということだ。
地下にあるから電波が入らない。入り口は一つしかない。
Tと女性アイドル以外の出演者は劇団系の人だから、出演者の知り合いが多くて、内輪の舞台という感じだ。
Tは2.5次元舞台に出ることが多いから、自然とファンの服装が量産型というか、地雷というか、そういう服装になる。会場の近くに行けば同担が一目でわかるというわけだ。かくいう私も緑っぽくなったインナーカラーがなかなか映えていたので一目でわかるファンだったのかも。
主人公の生い立ちやストーリーは、T自身とも重なるところがあったし、私とも重なるところがあった。一方で、私ともTとも全く違うようなことも。
それがオリジナルの舞台のいいところだと思う。どんな人間でも、共感できるところがないわけがないのだ。ゲームのキャラクターのように一貫した人生ではなく紆余曲折あって、何かが自分と共鳴する。
主人公は、苦労して生きてきた人だけれど、外が蝕まれてきたから優しく育てたんだと思った。苦労があくまでも自分を取り巻く「外」にあり、その境遇を彼は恨んでいたかもしれないが、家族と友人を大事に生きてこられたのだと思った。
恵まれない主人公として描かれているのに、どうしてこんなにうらやましいのかを考えながら何度も見た。8回のうち6回目くらいだったか、この言語化ができて、やっと気づいて、泣けた。
他の登場人物もそれぞれに過去があり、それぞれに共感できるところがあった。
ああ~うまく言えないけどオリジナルの舞台好きだなあと思わされた。この劇場に初めて来た時を思い出した。
あの劇場
オリジナルの舞台は2.5にありがちな「若い男性のアイドル売り」が無いのも好きだ。
Tは自分で「俺顔いいから」とわざと言うほうだし、同業者にもイケメンだよね、顔きれいと評される。そのTが、田舎っぽい20そこそこの男の子を演じるというのがたまらなく好き。彼が演技そのものを真剣にしてくれているんだなと思えるから。
初めて行った時の舞台では、「居酒屋でバイトをしている元キャバの女の子に惚れ込んで、カモという自覚がありながらその居酒屋に通う、マッシュルームヘアであか抜けないチェリーの美大生」という役だった。
その役のために地毛でマッシュルームヘアにしたし、水着で上裸になるシーンがあるけれど役を考えて敢えて鍛えないぺらっとした身体のまま出ていた。しかも衣装も、やたらと派手で上下柄のシャツとハーフパンツとか、とにかく人を選ぶ服ばかり。すごいことだと思う。
普段出ている舞台ではアイドルのような振る舞いを求められ、自分でも「俺かっこいい」と言っているような彼が、役のために全然かっこよくない自分を見せてくれる。
今回の舞台も、チェックシャツにダボっとしたズボンとか、Tシャツにジャージとかまあオシャレではない服装で、役全体にかっこいいというよりも健気で儚げだった。でもそれがすごく自然、本当にいそうな男の子なのに、カーテンコールで素のTが話すと役の男の子ともまた全然違うのだ。
すごいなあ、こういう人を応援できてうれしいなあと心底思う。
幸せだなあと。
6月にまた舞台に行く。主演で全通したから、今回は1公演だけ。
楽しみにしてるよ。
Twitterで12日くらい更新がないけど元気かな。
私はいつもあなたの幸福を願っているよ。またね。